9割の病気は自分で治せる
今日のおすすめは、岡本裕著『9割の病気は自分で治せる』(中経の文庫)です。
センセーショナルなタイトルですが、医者である著者は、
まじめにそう考えています。
高血圧、糖尿病などの病気の多くは、医者にかからなくても
生活習慣を変えるだけで治る。
しかし、病院に通う患者の多くをこれらの病気の人が占め、
本当に医療を必要とする深刻な病気の治療や研究に
お金も人材も回らない現実があると言います。
糖尿病に関しては、1999年に血糖値の基準が変わり、
一夜にして数百万人が「糖尿病」になり、
不要な薬を飲むことになったそうです。
ただ、薬は対症療法にすぎず、
本来備わった自己治癒力を低下させてしまうと著者は断言し、
実際に、相談に来た人たちに対して、
薬をやめ、代わりに食事や生活習慣を変えることで
根本的に治す手助けをしてきました。
薬は毒であり、よほどのことがない限り飲むべきでないのに、
医者が処方したからといって平気で飲みつづける
「おいしい患者」はもうやめるべきだと著者はいいます。
CTもMRIも世界で1位の多さで、
不要な検査が行われている現状もこの本で知りました。
薬を飲むことも治療を受けることも、
自分の命に関わることなのだから
きちんと調べ、自分の頭で取捨選択していくことが大事であると
著者は考えています。
この本では自己治癒力を高める方法も書かれています。
賢い患者になり、不要な医療を受けないことで得られるものは、
医療の質の向上だという考え方には納得がいきます。
自分の健康について考え直すよい機会になりました。
機会があればご一読をおすすめします。